インド滞在④泥水だらけのレーの街へ。除泥作業するチベット僧たちと接触。
レーに到着したものの、大雨による土砂崩れでダライ・ラマ法王による法話が延期になっている事を知りました。私に残されたレーでの滞在時間は本日を入れて三日間です。
持参した法衣に着替え、市街地へいって情報を集めてみる事にしました。
市街地は泊まっているゲストハウスから徒歩で約10分程度離れたところにあります。市街地に向かう途中の道で、水が勾配にそって上から下に流れていました。泥も道や側溝に散乱して、商店の前では店主が泥かきをしています。道路は車やバイクの交通も多く、砂煙がすごいです。地元の人たちもタオルや洋服で鼻と口を押さえながら歩いていました。牛や野良犬もそこら中にいます。
レーの街は標高約3500mにあるので、高山病の心配があります。その影響からか、少し歩いただけで頭痛がしました。
日本から調べてきていたLadakh Buddhist Association Head Officeのある通りにさしかかると、オフィスの前は他の場所よりも侵食がひどく、泥だらけで、建物から泥水を掬い上げてバケツリレーで捨てていました。チベット仏教僧達も一緒になって除泥作業に従事しています。しばらく遠くからその様子を眺めていました。
しばらくすると休憩の時間になったのか、除泥作業をしていた人たちに、バナナやパンが配られていました。
ここで、私は勇気を出してチベット仏教僧達に話しかけてみる事にしました。
日本で、本やインターネットで見ていたチベット僧たちが目の前にいて、実際にコミュニケーションをとっているのに不思議な気持ちになりました。彼らも私がどこかの国の仏教僧とわかったのか、合掌で迎えてくれました。
私「私は日本の仏教僧侶です。ダライ・ラマ法王猊下の法話を聞くためにここに来ました。ですが法話会は土砂のため中止になっていると聞きました。どこに行けば法王にお会いすることが出来ますか?」
チベット仏教僧たち「法王の法話会は、この土砂崩れのためいつ再開されるわかっていません。でも、チョコラムサラに来たら会えると思いますよ!」
私「ちょこらむ???」聞いたことのない単語を出されると頭が混乱します。場所なのか?建物なのか?多分私が不思議な顔をしていたので、彼らの一人がスマホで情報をみせてくれました。
彼らが言っているのが何を指すのか完全には理解できないままお礼を告げて、彼らと別れました(後日、彼らの言っていたチョコラムサラが何か後日わかることになります)。
滞在中に法話が開催されるかわからないが、ダライ・ラマ法王が同じ街にいる。そして、現地の人々とのコミュニケーションによって、初めて訪れた土地で、私は勇気つけられる思いでした。
街を少し見回ってゲストハウスに帰って来ると、オーナー家族がお昼ご飯を食べているところでした。奥さんに「食べるか?」と尋ねられたので、「食べます!」と答えました。レーに着いて初めての食事。炊き込みご飯的な料理。じゃがいもがとても甘くて美味しい!辛いのが好きな人は、これに唐辛子とピクルスをまぜた調味料を加えていただきます。
お昼ご飯のあとは、甘いミルクティーをいただきながら家族みんなでお話しの時間です。ここでは時間がゆっくり流れていました。オーナーの娘さん夫婦や、その子供と少しお話しして、知っている日本語など教えてくれました。他にも他国の宿泊者がいて、同じように少しお話ししました。他の宿泊者は、山々のトレッキングやバイクでのツーリングを目的として滞在しているようです。そういえば、街にもたくさんのレンタルバイク屋さんがありました。
ここの家族はみんな仏教徒で、ダライ・ラマ法王の法話会が再開されるのを楽しみにしている、ということでした。「また何か進展があったら教えるよ」と言われて、私は自分の部屋に戻って少し休むことにしました。まだ、高山病の影響で頭痛がして、体調万全とは言えませんでした。
部屋に戻った後は、シャワーを浴びたり、風呂場で洗濯したりしました。以前、バックパッカーしていた経験があるため、一人の宿泊や手洗いで洗濯などは身に付いています。日本から洗濯物を干すためのロープも持参しました。
少し仮眠をすると、時刻は夕方になっていました。
外国では観光客は夜に出歩くのが危険な地域もあるますが、レーは治安は良いようです。夜のレーの街は観光者や、お店をやっている地元の人、帰宅途中なのか足早で歩く人々が行き交っていました。
今夜の夕飯はネットで美味しいと書いてあったお店に食べに行くことにしました。
以前食べた方によるとバターチキンカレーが美味しいということなので注文。
骨つきの鶏肉がごろごろ入っていました。かなりこってりしていてボリュームもあり、私の体調が万全でないこともあって完食できませんでした。ちなみにレーのレストランでは基本的にアルコールは販売していませんので、炭酸水で乾杯。ごちそうさまでした。
その後は、マーケットによってお土産を買いました。
宿に帰宅すると、なんだか宿が慌ただしくなっていました。リビングではオーナー家族が現地の言葉で忙しなく会話しています。
私「ジュレー(こんにちは)何かあったの?」
オーナーの奥さん「おかえり!待ってたわよ!明日、ダライ・ラマ法王の法話が再開されるらしいわ!私たち家族も行くけど、あなたも一緒に行く?!」
私「ほんと?!是非一緒に連れて行って欲しい!」
オーナーの奥さん「わかったわ!明日の早朝に会場に出発するわよ!朝、五時に起きて準備をして、一緒に行きましょう!!」
突然の法話再開の知らせにオーナー家族も興奮しています。私は法話再開と、オーナー家族と一緒に会場へと行って貰えることになって幸運を感じました。
いよいよ、仏縁によってダライ・ラマ法王の法話に参加する時がやってきました。
その⑤に続きます。