インド⑤ラダックにて、土砂降りの中、ダライ・ラマ法王の法話に参加!
4:00に起床。まだ夜は明け切っておらず、外は仄暗い。オーナー家族も起き始めていて、お茶や敷物など持っていく物の準備していました。
正装なのか、みんなチベットの伝統的な服を着ています。
そんな中でオーナーが朝ごはんを準備してくれました。
5:00、オーナーのみを留守番に残して、ゲストハウス家族の乗る車に同乗させて貰い、会場へと向かいました。
ようやく空が明るくなり始めた早朝にもかかわらず、道路は車通りが多くなり、レーに住む人々が法話に向かっているのがわかりました。
会場は車で30分くらいいった所にありました。まだ中まで様子は伺えませんが、広大な広場のようでした。周りには木の生えていないごつごつとした岩山が続いています。
車を停車して、実際の法話が行われる場所まで歩いていきます。オーナー家族は現地のラダック語で話しているので、何を話しているのかわかりませんが、彼らの向かうところへ一緒についていきました。
他の家族や、法話に参加する人たちも続々と会場に向かって歩いています。
大きな通りに出ると、さらに沢山の人たちが集まり、会場に向かっているのがわかりました。
会場からは、歌なのか、音楽なのか、討論なのか、謎の声がマイク越しで流れており、神聖な雰囲気がしていました。今まで一度も聴いた事もない音でした。
会場の入り口はたくさんあり、各入り口にナンバーが振られてあります。それにしても沢山の人です!
私もオーナー家族と一緒の入り口についていくと、オーナーの奥さんから「ここは現地の人用の入り口よ!あなたは外国人だから、あっちの入り口から会場に入って!」と伝えられました。
会場に入る前に清めるためなのか、壺に入った水を手で貰い、口に含み、そして吐き出していました。私も見よう見まねで行いました。神社で参拝の前に手を洗って清めるような感じなのか。
入り口にはセキュリティのスタッフが何人か立っており、入場する時に持参した鞄の中身を確認されました。
東京ドーム何個分でしょうか。法話会場はかなり広い広場でした。整備されているのか、地面には草が生えています。水が流れるように側溝も掘られていました。そして、まだ法話まで時間があるというのに、すでに多くの人が会場入りし、場所取りをしています。
人が多すぎてオーナー家族を探して合流するのは不可能でした。
このままオーナー家族と合流できなければ、私は宿まで帰る事ができないかもしれない。一抹の不安を覚えながら…なんとかなると決心して会場を進んで行きました。
会場の中心には、ダライ・ラマ法王が法話を行うであろう建物が建っています。
ちらちらと小雨が降り始め、傘をさしている人もいました。
建物の近づくと、何箇所かテープで大きく囲われて区画が作られており、スタッフもところどころに立って誘導しています。
私は法王のお顔が見えるなるべく近くで法話が聞きたかったので、どんどん建物の近くに進みましたが、先頭の方はもうだいぶ埋まってしまっており、現地の人がシートなどで場所を確保している状態でした。まるで野外フェスのようです。
仕方なく、私もその一角に座っていました。
法話開始時間はまだ数時間あり、私は時間を持て余していました。
雨はどんどん強くなってきています。
私は、この日のために日本から簡易的な椅子と折りたたみ傘を持ってきたため、雨の中で地べたに座らずに雨から身を守ることが出来ました(地べたに座っていた人はみんなずぶ濡れでした・・・)
歌なのか、音楽なのか、謎の声が以前流れており、さらに他の楽器の音も鳴っており法話を荘厳しているようでした。日本の仏教でも法要を荘厳させるため、太鼓や鐘の鳴らし物は使いますが、金管楽器は使う事はありません。
周りを見回すと、さらに多くの人々が会場に集まってきています。ラダック人だけでなく、多くの外国人も法王の法話を聞きに集まって来ているのがわかりました。
そうしていると周りがざわつき始めました。
法話開始まで、まだだいぶ時間があると思っていましたが、会場は緊張感に包まれ、音楽は大きくなってきているように感じました。建物の中にも僧侶が集まってきています。
どうやらダライ・ラマが会場に近づいてきているようでした。
そうしていると、ダライ・ラマ法王を乗せた白いカートが遠くから近づいてくるのが見えました。私がいる反対側から会場に近づいてきています。法王が建物に入られると、人々は合掌でお迎えし、法王は手を振ってそれに応えられました。ダライ・ラマ法王がチベット民族や仏教徒、外国人に至るまで、宗教を超えて精神的な指導者として慕われているのを感じました。
そんな時に誰かから話しかけられました。「もしかして、あなたはどこかの国のお坊さんですか?」
私がそうだと答えると、「あなたは外国のお坊さんだから、もっと前の区画にいって法話を聴いていいんだよ!」と伝えられました。現地の人の方が優先されるべきでは、と思いながら、ありがたく前方へ区画に移動させて貰いました。
区画されたロープのくぐって、内側にチベット僧がいるフェンスの外側最前列に移動して座りました(もしかしたらチベット僧たちと同じ区画に入れたのかもしれません)
法話は法王がチベット語で話され、同時に英語の翻訳が入る、という形で行われました。ですが、私の英語理解力が僅かなのと、雨の音に混じって私にはほとんど内容を聞き取る事が出来ませんでした。
法話が始まってしばらく経つと、チベット僧やスタッフからお茶とカップ、パンが配られました。雨が強くなってきて、だいぶ冷えていたのでお茶は温かくてほっとしました。
また、赤い紐や赤い帯のようなものも給仕されました。チベット僧たちはそれを頭や腕に巻いていました。そして法王は同じ真言を何度も唱えられました。
「オンマニペメフーム」
私も真言はあまり詳しくはありませんが、本で読んだ事があったのでその真言ではないかと思いました。チベット仏教でよく唱えられる真言だそうです。「オン」とは身・口・意の事、「マニ」とは宝珠=菩提心、「ペメ」とは蓮華=縁起に基く智慧、「フーム」とは菩提心と智慧は分け隔てるのではなく共に修行されるべきであること、だそうです。
おそらく、観音菩薩の灌頂が行われているようです。
昨日、チベット僧に見せて貰ったスマホの情報では、法話時間は1時間と記載されてありましたが、開始からもう3時間ほど経とうとしていました。
私は折り畳み傘と折り畳みイス、防水ジャケットを着ていたためダメージは少なかったですが、最後の方は、みんな雨に打たれてみんな寒そうでした。
法話の終わりは突然やって来ました。法王がお経を読み出し、それが終わるとチベット僧たちはお袈裟を脱ぎ始めました。
法話が終わる頃には、雨は上がり空に晴れ間も出て来ていました。
私は憧れていた瞬間に立ち会う事が出来きて、心から感動しました。この瞬間のために、遥々日本からこの辺境にひとりやってこれた、この経験を誰かのために活かす事を誓いました。
私が参加した法話が、ダライ・ラマ法王の公式youtubeにupされていたのでシェアします。
その⑥に続きます。