【盂蘭盆施食会】について
【盂蘭盆施食会(うらぼんせじきえ)】という法要について簡単にご説明致します。
場所や地域によって施食会と言ったり、施餓鬼会と言ったりもします。馴染み深い【お盆】という言葉もこの【盂蘭盆】を省略した言葉です。
この供養会を行う始まりは『盂蘭盆経』というお経が基になっているといわれます。
釈尊(しゃくそん・お釈迦様の事)の十大弟子の一人であった目連(もくれん)尊者は、自分の母が餓鬼道の地獄に堕ち、食事や水も取ることが出来ずに苦しんでいるのを、彼の神通力によって知りました。食事を施したくても施すことが出来ず、悲しんだ目連尊者は釈尊に相談すると、僧侶たちが夏に集団修行を行う最終日(夏の集団修行中に犯した罪を懺悔する日)に、ご飯や果物や飲み物などを彼らに施せば、その功徳によって地獄で苦しんでいる母や、過去七回の生存における父母に至るまで施し救うことができる、と説かれてます。目連尊者は教えられたように行い、その施しによって母は餓鬼道の苦しみから脱することが出来ました。
【盂蘭盆(ウランバナ・ullambana)】という言葉の意味は諸説あるようですが、倒懸(人を逆さに吊るすこと)の説、または最近の研究では食事を盛ったお盆のことをさす説があるようです。
逆さまに吊るされたものたちを苦しみから助けようとすること、または夏の修行最終の懺悔の日に僧侶たちへ食事を施す事によって父母やご先祖様を供養すること。
どちらにせよ、亡き方々に対して食事を施し供養をするという大切な仏教行事の一つです。【盂蘭盆施食会】を行うことによって、自身の縁のある方だけでなく、無縁の方や全ての生きとし生けるものに対しても、みなさんがスポンサー・施主になり供養を行う儀式でもあります。