いつもよりも少しだけ、思いやりのある心で過ごそう -ダンマ・パダ 第1偈 第2偈-
まもなく、春のお彼岸です。季節もようやく春らしくなり、雪が溶け出すとほっとします。皆さんも春を心待ちにしていたようにお墓参りに行かれ、ご先祖様に今年も冬が越せたことへの感謝を伝えに行かれるようです。
元々お彼岸という行事は日本独特のもので、その由来は普段より積極的に仏教の教えを心がける事で、良い人間性を育み、少しでも仏さまの世界に近づこうとする期間でした。
私達の心は常に動き続けています。何かを考えていた、次の瞬間には、また何か別の事を考えている。人間の心というのはそのように出来ているようです。
もし私たちが良い心で行動すれば良い事がついて回り、良くない心で行動すれば良くない事がついて回るようになります。単純明快でありながら、誰にでも容易くはない、古来からの仏陀の教えです。
その事が良く説かれた、古くから親しまれている教えをご紹介いたします。
私たちの行動は、その時々の心の状態によって決まります。
例えば、怒りの心をもって言葉を発し行動すれば、相手にも自分自身にもマイナスな効果を起こす可能性が高くなります。怒りは、恐れを感じた時に闘争したり防衛するために自然に起こる感情だと言われていますが、怒りのエネルギーは強力で私たちを容易く大胆で攻撃的にして正常な判断を奪い、自分自身の健康も害してしまいます。信頼も失ってしまうかもしれません。
ですので、私たちはそこから、良い心の状態をなるべく保つように努力しないといけません。良い心の状態を保つためには、自己中心的になり過ぎず、誰かを思いやる気持ちが役に立つと仏陀はおっしゃいました。
仏教の教えは、亡くなった方のためだけにあるのではありません。いまを生きる私たちのためにあります。
お彼岸中、いつもより少しだけ、小さなことに捉われず、イライラせずに、誰かの力になれるよう過ごしてみましょう。